D 元シンドロームの浅葱(ASAGI)、涙沙(RUIZA)、SINなどを中心に結成。 現在の編成はASAGI、RUIZA、HIDE-ZOU、HIROKI、TSUNEHITO。 |
満を持してリリースされたDの2006年のアルバム。 1.DAY
DREAM 何か風の吹く限りなく広い荒野かもしくはビルの屋上が見えそうな曲。ASAGIの歌い方は良くも悪くもヴィジュアル系のVo.そのものを踏襲したもの。元々SYNDROMEとして中期ヴィジュアル系で長い間活動していたこともありHYDEやRYUICHI系(元を辿ればDEAD
ENDのMORRY)の歌い方。Dはその中期ヴィジュアルの曲想を引き継ぎつつ更にゴシック/ハードにしたような物だ。 2.GOD'S
CHILD 最近ではどんなバンドでもやっているシャウト(その起源は90年代初頭初期黒夢→90年代後半DIR,LAPUTA→ヴィジュアル系全体という流れ)をフューチャーしてみたもののゴシックデスメタルのように、例えばCRADLE
OF FILTHのダニのようになってしまっている。そこがまたいいんだが。 激しくオーヴァードライブ気味なギターから始まるこの曲はいうなればモダンヘヴィネスとヴィジュアルの邂逅。歌詞は全くの意味不明なヴィジュアル系なもの。「神とは唯一神であり、アルファでありオメガである」とりあえずわからない。けど原罪について歌っているんだろう。ギターソロの前のツインギターとベースドラムが同期するところについては相当かっこいい。ソロはメタル的アプローチだ。2回目のサビから後はこっそりバックコーラスが入っていてそれが神憑り的な雰囲気を気づかぬうちに出している。 3.闇より暗い慟哭のアカペラと薔薇より赤い情熱のアリア この曲でDを知ったわけだが全く素晴らしい。嫌いな人が聞けばキモチワルイ曲かもしれんがメタルオペラとでも言うべきこの曲は凄い。 イントロの入り方からなんかオーラが違う。バスドラムの音は思いっきりベチベチ。ブリッジの音階はなんとオペラ座の怪人笑 歌詞もオペラ座の怪人を歌った物だとわかる。ぜひともようつべでいいから見てもらいたい。 4.ART
DE LA PISTE 使い古された音階なワケだ。しかし突然歌い始め音階が変わる。おおっと思ったら再びあの音階がクローズアップされると。その後はスロウでじっくり聞かせていく。しかしLUNA SEAには及ばないが透明感があるなあと思う。ハイハットの音が雨のような錯覚に一瞬陥る。ドラマチックな展開はVIDOLLなどを凌駕していると思われる。 5.狂人舞踏会 このイントロのギターアプローチは!!!!!もんすごいカッコええデス。SOADを思い出す。Dはこういうファスト系チューンが他のバンドと比べて抜群に上手だ。デスメタル+ヴィジュアルという、MOIS
DIX MOISのような感じ。まああれはモロゴシックメタル目指してるわけだが。途中スロウになってサビもメロディアスに持っていくんだが、これをずっとダークで引っ張ると「メタルの」いい曲になりかねない。あくまで「ヴィジュアル系の」いい曲を目指すわけだ。惜しいなあ。全部ダークで行けばめちゃくちゃかっこいい曲になる。V系はツーバス連打は頑なに拒んできた。思い切りやったのはラファエルくらいのもんだろう。そこがVとHMの違い。 6.HOURGLASS とってもアコースティックな歌。平均レベル以上だがこれといって取り上げる曲ではない。 7.EVER
AFTER なんだか不協和音クサさがLAPUTAを思い起こさせるぞ!!?97年くらいの曲を2000年代に持ってきた感じ。凄いLAPUTAな香りのツインギターの絡み(LAPUTAは一本だけどね)が背筋がゾクっとするくらいいいわけだ。歌詞もやはり恋愛もの。最近気づいたけど歌詞って恋愛のことしかないよね最近。歌詞なくてもおなじじゃないか。と思った人は→グラインドコア 8.悪夢喰らい タイトルを見た瞬間なぜかハリーポッターが浮かんだ。死喰い人? で、曲のほうだがヘヴィーなミドル。でも別に…という感じ。 9.黒い花園 メロディーが秀逸。最初のアコースティックのところがとっても澄んでいていい。 10.SLEEPER 最後にやってくれた。めっちゃええですよこれ。3.とかに比べては負けるけど、新鮮なメロディー。サビが尻切れトンボみたいな音階で終わるんだがやけにそれが耳に残る。「私を〜」で終わるところね。もうちょっと続いて・・・とおもっていたらそこで止まっちゃうからびっくりした。ギターの音階の雰囲気がLAPUTAのなんだったかな…EVEだ!!に似ているから無性に聞きたくなった。兎に角終わりよければ全てよし。10曲でかなり満足できるアルバムです。 |